書籍レビューとはいえ「レトゲー」を扱う以上、「懐かしい！！」とノスタルジックに走るところですが…
今回はレトゲー好きでも「え、こんなのあったの？」ってゲームの書籍をご紹介します。
まさかのファミコンにエロゲーが！！
まさかファミコンで18禁ゲームがあったとは…なお、本書は普通に購入できます。ファミコンといえば、名前の通りファミリーで楽しめるコンピュータとして広く一般家庭に普及しました。
このため、全年齢向けのゲームが当たり前ですし、リアルタイムでファミコンをプレイしていた私も〇十年間、そのように思っていました。
しかし…
なんと正規ルートでは無い、しかし違法ではない形で18禁ゲーム（アダルトゲーム）が販売されていたのです。
今となってはゲームの購入難易度は桁違いに高そうですが…
非正規だが合法？なアダルトゲーム群
身よ、このドット絵のグラフィックを！！これでも当時は興奮したんでしょうね（私は当時は存在すら知りませんでしたが）ファミコンソフトを一般におもちゃ屋・ゲームショップで流通に乗せるには、どうも一定の審査があったようです。そして全国に流通させる以上は、それなりのクオリティと販売本数が必要です。
そうなると当然、ある程度大手のゲームメーカーが販売することになり、大手である以上、売り上げ数も多くする必要がある＝ニッチ分野には向かない、という図式が成り立ちます。
今のようにネット越しでダウンロードできれば、販売本数があまり見込めそうもないニッチな分野でも流通したのでしょうが、当時はそんな環境ではありませんでした。
しかし、人間のエロパワーはそれさえも克服するのでしょうか。
正規の販売ルートには乗らないものの、一部のPCショップなどでそれなりに売れていたのが今回紹介する「非公認」のゲーム群でした。見ての通りエロです。
もちろん、ファミコンというハードの限界があるので、今の世代からすると「こんなドット絵で抜けるか！！」って思われそうです。
しかし、官能小説のように、不足しているエロ成分は脳内で補完すれば無限となります。偉そうに言うことではないですが。
むしろ、今のリアルすぎるエロゲーよりもエロスが凝縮されているのが、この時代の非公認ソフトだったのかもしれません。
パソコンからの移植？
似たようなタイトルのエロゲーがPCにありました。これはオマージュ？実はエロゲー自体はパソコンではそれなりに流通がされていました。当初は18禁の指定が無くて、こっそりエロが買える手段の一つでもあったようです。
もっとも、パソコン自体が高根の花でしたので、手が出せない人も多かったと思います。「本体価格2万以下のファミコンでプレイできればどんなに良い事か！！」と思った人も多いはず。
いや、その思いを実現したのがファミコンのエロゲーかもしれません。
ちなみに上記のゲームは「天使たちの午後」というPCのエロゲーの移植…ではなく、別のエロゲーの移植だそうです。
こんなことに力を入れるな！！もっとまっとうなことをしろ！！と言われそうです。
しかし、ビデオデッキやDVDの普及の陰にアダルトVHSやDVDがあったように、エロが販売や売り上げに貢献することだってあるのです。
結果的にファミコンという市場では全体の売り上げには貢献できなかったかと思いますが、「限られた性能の中で技術を磨く」ってことには貢献したような気がします。
裏の歴史を知ることも重要（真顔）
非公認ゲームでも、ジャンル自体は一般のゲームに引けを取らなかったようです。非公認といっても、ファミコンのソフトを作るにはそれなりの設備と技術が必要です。またゲームと名の付く以上、ゲーム性にはこだわりが欲しいところ。
本書の目次ではジャンル分けがされているように、非公認といいながらもアドベンチャー・RPG・パズル・アクションなど結構な種類のジャンルがあったようですね。
もちろん、ゲームとしての面白さには優劣あったでしょうが、ニッチな分野でここまで種類があったのは凄い事だと思います。
そこには売り上げだけではなく、「より良いゲームを（アダルトで）作ろう」という、制作再度の熱意があったに違いありません。
たかがエロゲー、されどエロゲー。
しかし、有名な絵師も最初はエロ原画からスタートしていたりすることもあるように、技術を磨きたい人の登竜門でもあったのかもしれません（言い過ぎ？）。
どんな分野でも、光の部分だけではなく、こういった影の部分を見てみると、それまでと違った発見があってより視野が広まりそうですね。
最後に
今回はちょっと趣向を変えて、ファミコンのもう一つの世界に触れてみました。いかがでしたでしょうか？
実は筆者も執筆時点では本書に登場するエロゲーはプレイしたことがありません。というか、ただでさえ程度の良いファミコンゲームは入手困難度が増してくるのに、さらに非公認となると、流通経路さえ限られてきます。
しかし、これも勉強と思って、いつかはプレイしてみたいと思います。自分自身で書いたように、影を知ることも重要なのですから！！（と格好よく締めてみます）
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