MSXマガジン永久保存版3の付録CD-ROM。こちらでMSXエミュレータのMSXPLAYerをインストールできます。ただし、雑誌本体の販売から10年以上経過しているため在庫はなく、中古で手に入れるにしても1万円以上とプレミア価格がついて入手難易度は高いです。
そもそもMSXって何？
レトゲーマニアなら知っていても当たり前でしょうが、知らない方のために簡単に解説をします。
MSXとは簡単に言うと「各社別々だったOSや規格を共通化したパソコン」です。
1980年代当時、パソコンは各社独自の規格やOSであり互換性がありませんでした。具体的にはNECのPCのPC-88シリーズのソフトは、シャープのX1シリーズでは使用自体できず、その他のメーカーのPCも同様でした。
今ではメーカーは違っても、同じWindowsマシンであれば同じWindows用ソフトが使えます。ただしWindowsのソフトはMacでは使えません。これはOSからして違うからです。
このWindowsとMacの互換性がないという図式が、当時のPC全てで発生していたといってもよいでしょうか。
この違いを何とかしようとしたのが、MSXという規格のPCです。正確にはちょっと違うかもしれませんが、ポイントはおさえているつもりです。詳しくはWikiのページもご覧ください。
また、当時はPC自体が今まで以上に高価であることが多く、最低でも20万円くらいはしました。しかし、MSXは数万円程度で購入できる上に、家庭のTVと接続もできたのです。
当時中学生だった私もMSXに飛びつきました。ファミコンも持っていましたが、パソコンというものにも憧れており、比較的安価なMSXは手頃に購入できたのです。
その後、マイコンBASICマガジンという書籍を購入してプログラミングコードを入力したりしていました。マイコンBASICマガジン、通称「ベーマガ」には、ゲームプログラムのソースコードが掲載されており、自分で打ち込めば簡単なゲームがプレイできたのです。
もっとも、間違えてエラーになることも良くありました。しかし、これでプログラムの勉強をしてプログラマーになった読者は多いと思います。私は、ゲームをプレイする方に向かいましたが…
話がそれましたが、MSXは今のWindowsの先駆けのような存在でした。規格の共通化もあったのか、ゲームも結構な種類のものが登場していました。ただ、ゲーム専用機ではないため、ファミコンほどスムーズなスクロールはできず、RPGやAVG系のゲームに人気があったように思えます。
MSXのゲームをエミュレート！！MSXPLAYer
さて、そんなMSXですが、既に生産も終わっており普通には対応するゲームもプレイできない状態です。
しかし、根強い人気があるせいか、Windows上で実行できるエミュレータの形でプレイすることは可能です。
そのうちの一つがMSXPLAYerです。これは公式のエミュレータであり、MSXマガジン永久保存版というムックの付録（CD-ROM）で提供されていました。
では早速やってみよう！！どこで買えるの！？って方もいるかと思いますが…
入手難易度は高いです。というのも、発売が2005年と本記事掲載時点で15年以上前であり、在庫はないものと思われます。また、Amazonを見ても中古で1万円以上の値段がしています。
しかし、レトゲーマーの宿命ともいうのでしょうか、私は過去に購入したままそのままほったらかしになっていた「MSXマガジン永久保存版3」を部屋の整理で探し出しました。CD-ROMを取り出してもいないので、売れば結構な値段がしそうですが、それはレトゲーマーの風上にも置けぬ行為。
というわけで、今回は実際にインストールするところを解説したいと思います。
※ちなみに、楽天では私が持っていた3ではなく、2の中古が取り扱いされていました。なお、2のエミュレータは3より古くて動作が重いという情報もあったので、手に入れるなら3に入っているエミュレータをお薦めします。
MSXPLAYerのインストールと注意点
まずはPCに付属または接続したCD-ROMを読み込めるドライブに、付録のCD-ROMを挿入して起動します。
Windows10では自動では起動せず、ディスクの操作をどうするか訊かれます。dllファイルを選択するとブラウザで画面が開きます。
付録のCD-ROMから直接起動するとブラウザで表示される。注意したいのは、ブラウザから直接インストールはできない、ということです。
ブラウザの設定にもよるのでしょうが、私の利用しているブラウザ＝Braveでは、実行ファイルをいったんPCにダウンロードしなくてはいけませんでした。
そのダウンロードした実行ファイル（インストーラ）を起動しても、他にインストールに必要なファイルが見つからないためエラーになります。なので、CD-ROMの内容をまとめてPCに保存し、エクスプローラでファイルを直接起動してやりましょう。
CD-ROMの中身を全てPCにコピーして、PC上でインストールファイルを直接起動しましょう。
↓実際のインストール手順を簡単に動画でアップしました。こちらもご参照ください。
これで晴れてMSXPLAYerをインストールすることができました。
カオスエンジェルスもプレイ可能！！
あの往年の名作「カオスエンジェルス」がWindowsマシンでプレイできる！！付録のCD-ROMからインストールすると、エミュレータ本体だけでなくソフトも一緒にインストールされます。ラインアップは以下の通りです。
- アレスタ
- グレーテストドライバー2Dスペシャル
- エミーII
- 伊賀忍法帖
- 妖怪屋敷
- 聖拳アチョー
- 仔猫の大冒険 チビちゃんがいく
- カシオワールドオープン
- 伊賀忍法帖 満月城の戦い
- プリンセスメーカー
- ルーンワース 黒衣の貴公子
- スターアーサー伝説I 惑星メフィウス
- はーりぃふぉっくすMSXスペシャル
- カオスエンジェルズ
- SMレディ
- 完全攻略キョクゲン
- 13怪談
- ウイリングリベンジ
- ミストラルブルー
- GRAY GROFA
- クラッシュパコッチェ
これらのゲームだけで合計21個あります。その他にもゲーム開発のキットやマニュアルも同梱されており、定価の2800円で購入してとっておいた人（自分含む）はラッキーかも。
個人的には先述のカオスエンジェルスとプリンセスメーカーが好きでした。
カオスエンジェルスのゲーム画面より。昔のゲームなので、フロッピーディスクの入れ替えなんてのもありました。
魔王との闘いで傷つき引退した勇者が、孤児を育てるという「育成シミュレーションゲーム」の元祖とも言うべき作品。初代PSでも「夢見る妖精」という副題で販売されていました。
各ゲームのレビューなどはそのうちしてまいります。
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